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2017年3月10日 (金)

これまでも、これからも-田港清治さん、稲葉博さん、博治-

-田港清治さんが亡くなり、稲葉博さんが保釈された今、考えていること-

 今朝の新聞で、田港清治さんが亡くなった(17年3月6日病院で死去)ことを知った。また稲葉博さんが保釈されたことは、沖縄タイムス、琉球新報両紙に大きく報じられている。

 田港さんのことと、稲葉さんのことは別に書こうと思いながら帰宅した。しかしお二人の写真を探していたら、稲葉さんと、まだ捕らえられたままの山城博治(彼は私より年下だから)のことに触れないわけにいかないと思い始めた。写真を色々と探す中で、この3名の繋がりに、思わず涙してしまった。ということで、「これまでも、これからも」と題して、短文を書き留めておきたい。

  -田港清治さん-

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15年3月21日 止めよう辺野古新基地建設 美ら海を守る県民集会(瀬嵩の浜で)右が田港のおじい。

 当ブログ読者は、田港清治さんにゲート前で会ったという方を除けば、ご存知ないかもしれない。享年88歳だった。彼は、新基地建設が辺野古に浮上した96年当時から、積極的に反対運動に係わりだした、大先輩である。私が直接お話し懇意になったのは、14年秋以降だと記憶している。いつもお一人で名護市街から、あの二見入り口への坂を自転車で登って来られていた。私はその根性に感服していた。さすがに体力的に無理だろうと判断した仲間達が車に同乗してお連れするようになったのだが。

 彼と話すと、必ず「戦争はダメだ」と、おっしゃっていた。彼は関西の軍事工場で働いた経験をもっている。その時、米軍機から機銃掃射を受け、多くの同僚が亡くなったという。ご自身も銃弾の中を生き延びたようだ。沖縄に帰るまでが大変だったし、帰ってからも困難を極めたという。国は戦争被害について何も保障してくれなかったと、悔しさを隠さなかった。こうした体験から、彼は新基地建設を身を挺してでも止めたいとの思いを抱き続けてきた。   今朝の新聞によれば、入退院を繰返すようになった昨年2月以降も、「辺野古に行きたい」と娘さんたちに漏らしていたようだ。

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15年9月20日 病気から復活したヒロジを祝う会(ゲート前で) 右が田港のおじい。ヒロジ、稲嶺進名護市長。

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15年9月20日 カチャーシーを踊る田港のおじい。 

 今、私が自分が撮った写真をざっと見ただけでも彼を巡る様々な場面の写真を見つけた。闘いの現場の中に居らして、山城博治さんとの太い繋がりも確認できた。田港さんの遺志は、山城さんや稲葉さん、そして私たちが繋いでいく。どこまで彼の思いのたけを分かち合っているか、私は心もとないが、写真を見直して、これまでも、これからもと考えている。こうした思いは、彼を知っている仲間の共通した思いだろう。また、この記事を読んだ皆様も、何らかの形で共感を広げていただければ、幸いだ。

 -稲葉博さん-

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15年10月13日 ゲート前で辺野古ダンスを踊る仲間達。左側で正面を向いているのが稲葉さん。

 稲葉博さんは私よりも1歳年上か、同年だ。彼はゲート前が始まった後の2015年の春頃に彗星の如く現れたと記憶している。彼はなかなか豪快でありながら、事細かな雑務を地味にこなし、ゲート前写真展(全国への貸し出しも)の基礎を作ったのも彼の功績だ。ゲート前では裏方であり、ブロックを積んだ案件のリーダーでは、ありえない。彼が不当にも逮捕・起訴されたのは、国家権力が基地建設に抗する闘いを「組織的な犯罪」だと看做して圧殺しようとしているためだろう。何しろブロック積みに参加したのは、数百人をはるかに超えていたはずだ。

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16年3月16日 名護署前で歌う稲葉さん。独特の味があるおやじなのだ。

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同日。ヒロジが隣に居た。


 今、安倍政権は、共謀罪を国会に上程しようとしているが、今次の沖縄の闘いに対する弾圧は、金の流れに着目した弾圧であり、明らかに共謀罪の先取りである。このことから考えれば、この法案は具体的な大衆運動を壊滅させることが目的だと推定できる。あの戦争前から、治安維持法が制定され、凶暴な弾圧をほしいままにした時代が続いたのだ。私たちは、このことを決して忘れてはならない。既に、もっともっと想起すべき時代に入ってしまっていることを自覚すべきだ。私たちは脇が甘すぎたのだ。

 -ヒロジたちと共に弾圧に抗して-

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15年3月21日 ゲート前 

 勾留は刑事訴訟法では23日間までのはずだ。なのに稲葉さんは威力業務妨害の容疑で約3ヶ月投獄されてきた。また博治は、10月17日以来、器物損壊、公務執行妨害・傷害、威力業務妨害の容疑で長期勾留が続いている。東京出身のTさんは、10月4日に傷害、そして公務執行妨害と傷害の容疑でこれまた長期勾留の憂き身にあっている。

 この3名共に逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れはない。国家権力はなぜこれほどの弾圧を集中させているのか? やはり博治に対しては、現場リーダーの才覚のある彼を引き剥がしておきたいのだろう。また、現場のムードを貶める効果もあるとみているはずだ。そして今回の弾圧の効果は、ネット右翼の宣伝とも相俟って(MXテレビも加担したが)、沖縄の闘いを矮小化する意味も小さくないはずだ。長期勾留して置けばおくほど、「過激な闘い」だとのイメージを作り出せると。

 であれば、私たちはこうした攻撃の不当性を明らかにしていかなければならない。何故沖縄ならば、基地を集中させて良いのか? 沖縄には住民が居ないというのか? 沖縄への差別を許さないと。沖縄の現実を切り捨てると言うならば、そんなに戦争がしたいのかと。

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15年9月20日 ヒロジの復活を祝う会の場で。左は糸数慶子参議院議員。

 来る3月17日は本件の裁判も始まる。稲葉さん、博治、Tさんをはじめ、先日亡くなられた田港さんの遺志も含めて、一人ひとりが横に繋がり、歴史を継承しながら、沖縄の文化の底力も発揮していこうではないか。不屈・不退転の闘いを被弾圧者と共に、細心の注意を払いながら、全力で示していこう。

 私たちは、住民と共にやんばるの森を、海を守りぬく中から新たな沖縄の可能性を拓いていけるはずだ。「命どぅ宝」の道を諦めない。私たちは確かに微力ではあるが、一人ひとりが繋がることによって、思いのほか大きな力を宿していけるだろう。

 

 

 

 

 

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