無料ブログはココログ

«  暑い、疲れた、頑張った(17年6月24日) | トップページ | 週刊金曜日6月23日号の表紙に関する激励・ご感想を »

2017年6月25日 (日)

知事の平和宣言と首相挨拶(17年6月23日)

 昨日(6月24日)、沖縄の大学から辺野古テント村に話を聞きに来た学生に、私はこう言った。6月23日の知事と首相のことばの違いを読み解けと。そこでこの場で私なりの読み説きをやってみよう。

 知事の平和宣言は、文字通り知事の県民に対する平和宣言であり、ひろく国民に対する呼びかけだ。冒頭に沖縄戦の惨禍を「72年前、ここ沖縄では、住民をまきこんだ激しい地上戦が繰り広げられました」と要約し、「命どぅ宝」の思いを想起し、今日にいたる連綿たる基地の現状を活写している。辺野古新基地反対を明言し、日本国憲法に立ち返り、「平和の礎」を想起し、大田昌秀さんが建立された意義を踏まえている。短い文だが、沖縄の現実から、「絶え間ない努力を続けてまいります」としている。

 首相の言葉はどうか。冒頭から沖縄戦に触れているが、「み霊に向かい、謹んで哀悼の誠を捧げます」だ。2段目のパラグラフも沖縄戦、3段目も。ことばを重ねているが、空ろなのは何故か。「み霊」へのことばだから、言葉が空滑りしていくのだ。亡くなった方々、生き残った方々へのいたわりがない。例えば、「私たちが享受する平和と繁栄は、沖縄の人人の、ことばでは言い表せない塗炭の苦しみ、苦難の歴史にあることをかみしめながら、静かに頭を垂れたいと思います」と敢えて、思考停止。続けて「わが国は、戦後一貫して、平和を重んじる国として、ひたすら歩んでまいりました。戦争の惨禍を決して繰返してはならない。この決然たる誓いを貫き、万人が心豊かに暮らせる世の中を実現する。そのことに不断の努力を重ねていくことを、改めて、み霊にお誓い申し上げます」。

 なるほど立派な決意だが、沖縄の人人への決意ではない。み霊への決意。因みに、み霊とは神道用語。首相は、国に命を捧げた霊に頭を垂れているだけではないのか。

 そして米軍基地問題に触れている。「沖縄の方々には、永きにわたり、米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいており、この現状は到底容認できるものではありません。政府として、基地負担軽減のため、ひとつひとつ確実に結果を出していく決意であります」と。だが、沖縄の基地負担の現状認識を一言も語らず、言うことは北部訓練場の半減のみ。「できることはすべて行う」という言葉が宙に舞う。新基地建設や高江のヘリパッド建設等の基地負担強化を完全に無視。しゃあしゃあと「沖縄は、美しい自然の中で豊かな文化を育んできました」などとことばをつなぐ安倍。

 最後から2段目のパラグラフで、「私は、可能性に満ちた沖縄の明るい未来を切り開いていくため、先頭に立って、沖縄の振興をさらに前に進めてまいります」と。経済振興で沖縄を縛り、基地の島の永遠化と新たな戦場にする構想を隠しながらのこうした言説。呆れ返る。

 ラストは、「結びに、この地に眠るみ霊の安らかならんこと、ご遺族の方々のご平安を心からお祈りし、私のあいさつといたします」。み霊で始まり、み霊で終わったのだが、首相として沖縄の現実に責任を持つ姿勢がないことを裏書するような代物だった。「安らかに」、「平安」を祈念するならば、軍事基地にさいなまれている現実を直視し、遺骨すら放置されている現実を留意すべきだろう。こうしたどこが、安らかに、平安なのだろうか。

 両者の違いは鮮明だ。現実を解決しようと尽力している知事と、基地の現実を押し付け続ける首相。私達は、ことばの裏側を読み解けなければ、再び暗黒の社会に引きずりこまれていく瀬戸際にたたされている。この問題は、単に沖縄だけの問題じゃない。日本という国に組み込まれている人人全体の問題であり、アジアに、世界に影響を及ぼしていくだろう。

補足:首相が「平和の礎」に触れていたのに、意外感。この礎は敵も味方もなく、韓国人の、朝鮮人の名前も刻まれて居ることを承知しているのだろうか。安倍首相は一度、平和の礎全体を歩いてみたらどうだろうか。それで変わるとは思わないが。

«  暑い、疲れた、頑張った(17年6月24日) | トップページ | 週刊金曜日6月23日号の表紙に関する激励・ご感想を »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2471071/70959667

この記事へのトラックバック一覧です: 知事の平和宣言と首相挨拶(17年6月23日):

«  暑い、疲れた、頑張った(17年6月24日) | トップページ | 週刊金曜日6月23日号の表紙に関する激励・ご感想を »

最近のトラックバック

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31