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2017年6月 3日 (土)

「SEALDs untitled stories -未来につなぐ27の物語」雑感など

 暫く前に尾崎孝史君からこの自著をいただいた。早く何か書かなければと思いながら、遅々として頭の整理ができていない。だが、思うところを書いてみたい。

 はっきり言って、私は沖縄に居て、SEALDs について快く思って居なかった。まずは声明文のたち位置がまるでなっていなかった。「日本丸」の歴史認識がお粗末過ぎた。にもかかわらず、大人たちがSEALDs万歳になりすぎていた(これは彼らの責任ではない)。冷ややかに見るしかないかと。いつの間にか、解散するとなった。

 しかし本書を見て、読んで、考えを変えた。27人へのインタビューを読めば、一人ひとりの体験が語られており、何故に今日まで歩みだしたのかが、わかる。一々もっともだ。著者はそこを意識して、このタイトルにしたようだが、私も個的体験をはっきりと語る若者達に共感を覚えた。2015年は、安保法制が強行採決される流れの中で、偶然の出会いがやってきた。このチャンスを逃さなかった彼ら、彼女たち。

 この写真集では、ひとりひとりの凄さが、ひたむきさが伝わって来る。私たちが若者だった頃と異なり、嫌でも個的体験からの出発なのだ。そこを点を線にした力。こうした一端も伝わって来る構成になっている。ここに写真家尾崎君の本領が遺憾なく生かされている。

 本書は、27人へのインタビューと、個々の人たちのポートレート、そして運動の現場、沖縄や福島、靖国神社などの社会状況をつかみ出している。そして個人の立ち位置を問うてくる。

 私なりに考えた。大昔の話だが、私が最初に社会に目を向けるようになった体験がある。幾つかあるのだが、①私が住んでいた隣が養護施設だった。あるとき、そこから通っている友人・同級生が学校内で財布を盗んだと何の証拠もないのに貶められた。私は怒った、怒った、泣いた。これが差別というものなのだと学ばせてもらった。②母親が難病で死んだ。未だにその病気は難病のままだ(やっと治療方針が見えてきたとの報道に接したが)。医療や介護の困難さを垣間見た。③これはいつも書いていることだが、急速に進む自然破壊に震えた。人間はこうして終わるのだろうと。何れも60年代の前半のことだ。

 自分もこうした個的体験があったからこそ、今日まで50年間も社会運動を続けてきたのだ。SEALDsの若者達も、やはり個的体験が、人的繋がりが支えになっているようだ。もっとも、私たちの世代(1960年代後半から70年代初頭の世代)は、「革命的警戒心」などといいながら、自己(集団)絶対化に進み、無内容な観念的な「団結」に走ってしまったのではなかったか。その結果が今の惨状を招いてしまったのだ。日本会議と安倍独走態勢を作り出したのかもしれない。

 いやはや、この一冊で、この50年を振り返ってしまったが、それはいささかオーバーだとしても、やはり私たちの世代が反省すべき、考え直す一冊でもあるようだ。遅すぎたが、世代をつなぐ努力を私たちがやらなければならないだろう。問題はこれからの若者達の、これから生まれてくる人たちに生きるバトンを渡していかなければならないのだから。

 本書は無論、いじいじしている若者たちも手にとって欲しい。悩んでいるところは近いじゃん、と思えるのではないか。

 もはや、どの写真がどうのなんて、野暮なことは書かない。

 発行:Canal+ (e-mail QWR07214@nifty.com

1500円。

 

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文化の目」カテゴリの記事

コメント

  尾崎さん、早速ありがとう。「書いたよー」と自分から連絡すべきでした。あい、すいません。
 ご指摘いただいた、沖縄の力がSealdsに結実していったということ、半ば同意。本書にも27人の中に沖縄人もおり、また他の写真の中にも写っていますね。
 私もこのことについて、ふれようかとも思いましたが、あえて避けてしまいました。何も沖縄が沖縄がと言わなくてもいいでしょう。というよりも我々が論じることではなくて、本人たちが正面から論じあって欲しかった。だからまだまだ沖縄の若者の積極性が足りない。今躊躇している場合じゃないはずです。
 無論私は、沖縄の若者ばかりか、どこの若者でも、大いに議論したいと思っています。次には共謀罪が待っており、明文改憲もくる。国家に再び頸ねっこを抑えられてしまうのか、どうしたら振り払えるのか。

ヤマヒデさま
いつもお世話になっております。
ご多忙のところ、丁寧な感想を掲載いただき感謝申し上げます。
辺野古の現実に驚き、現場の方々の話を聞いた若者たちがSEALDsを立ちあげました。沖縄のみなさんがSEALDsの生みの親だと思えてなりません。
私自身、彼らの生い立ちを聞きながら、自分の半生について考えさせられるところが多々ありました。この困難な時代を生き抜いた彼ら、それぞれの言葉が、多くの人に勇気を与えてくれると信じています。
尾崎孝史

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