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2018年2月20日 (火)

地域民主主義が壊された名護市長選(180214)

〇本稿は「人民新聞」に依頼されて寄稿したものです。明日発売(180221)とお聞きしましたので、やや早いですが、当ブログにもあげます。尚、続編を別紙に寄稿準備中。(180220 ヤマヒデ)〇追記:今日18年2月27日掲載紙が届きましたので補足します。掲載紙は「人民新聞」180215発行、通巻1640号。

 

Ⅰ市長選結果―稲嶺進さん3選ならず―

 新基地建設の帰趨に大きく影響し、今後の沖縄の進路に深く係わる名護市長選が18年2月4日、投開票された。結果は稲嶺進さんの3選はならず、自公が推薦した渡具知武豊(どぐちたけとよ―56歳)候補が当選した。

 有権者総数:48781人 稲嶺進:16931票、渡具知武豊:20389票、投票総数:37524票、有効投票総数:37320票。投票率:76.92%。因みに同時に行なわれた市議補選は仲尾ちあき:19782票、安次富浩:15927票、投票総数:37422票、有効投票総数:35709票。投票率:76.71%。当選はやはり保守陣営だった。

Ⅱ 如何なる選挙だったのか?

 何故こうした結果になったのだろうか。名護市の自民党会派は、党中央からの横槍を受けながらも、17年7月27日、渡具知市議を市長候補に選んだ。17年10月6日、自民党の沖縄県連が同氏に推薦状を出し、これで決まった。9月初旬に決定すると言われていたが、延期されていたのだ。17年12月27日、公明党の沖縄県連が支持を決定。7月からの5ヶ月で、彼ら自公の内部(党中央や日本政府とも)で大きな動きがあったのだろう。

 稲嶺進市長は、これまでの公約をほぼ果たし、市財政を立て直すなどの実績もあり、新基地建設反対を愚直に貫いてきた。しかし結果は逆転されたのだ。幾つかの報告があがってきている。①期日前投票が21660人であり、44.4%という異例な高さ。組織的な投票の呼びかけが執拗に行われたのだろう(私も期日前投票に行ったが、相当込み合っていた)。必ずしも企業などの組織だけではない。女性の方が多いのだ。②公明党・創価学会が地域を回り、「保育料の無料化」署名を集めていた。名前・住所・電話番号・メールアドレスまで書かせていたという。「選挙とは別」と言いながら、確実に投票への誘導の資料に使っただろう。③企業や団体のグルミ選挙もあちこちで行なわれた。私は伝聞だけでなく、直接聴いている。彼らは持てる組織・人の繋がりを網羅し、市外のルートからも手をつっこんできた。これは他市の市長・町長、同業のつながり、親戚・縁戚、同窓会など。総ざらいの態勢だった。④若い人を中心にインターネットを駆使した宣伝・伝達を徹底してやった。⑤従来の稲嶺支持の拠点にまで、渡具知派は地域拠点をつくりあげ、切り崩しに入った。⑥金銭による買収の証拠ははっきりしないが、選挙に誘い出し、物を買い与えるなども行なわれていた。

Ⅲ 地域民主主義を切り崩された

 今回の選挙の特徴は、こうした断片を寄せ集めるだけでは、言い表せない。地域の民主主義が壊されたからだ。安倍政権総がかりの指示と圧力が名護に押し寄せ、それも表面下での働きかけがすさまじかったようだ。名護市では2010年以来、市民自治・基地建設反対の勢力がイニシアチブをとり、勝ち抜いてきた。稲嶺進というたぐい稀な政治家・行政マンとの出会いがあったればこそだが、市役所を、まちを明るくしてきた。今回はこうした力が削がれていった。

 地域民主主義の破壊について幾つかの点を指摘する。①「辺野古」を完全に封印し、基地建設の進行をみせつけ、フェイクニュース、悪宣伝で、議論の芽を封じ込めた。②最たるものは、あたかも稲嶺市長の誕生が市民に余計な「負担」をもたらし、名護のまちを「分断」しているかのような悪宣伝。稲嶺市政は再編交付金がなくても逆に財政規模を膨らませ、収支を健全化させてきた。国からの軍事補助を受け取らなかった、だから市民は「損した」との悪宣伝。③分断をもたらしたのは、96年から自民党政権、自公政権がここに基地を造ろうとしてきたからだ。だがかかる倒錯を信じ込ませようとした。だから渡具知候補は、8回に亘る候補者同士の討論の場から逃げ回った。嘘がばれるから。気分は「刷新・改革」へ。彼らは考えることや議論を潰し、不審を煽ることをテーマにしたのだ。

Ⅳ 結語

 安倍政権の新基地建設の野望は巨大だ。ここでは詳述できないが、巨大な利権を手にし、戦争できる国を、沖縄に負担をおしつけるなかで、強行してきている。彼らは如何なる事件や事故がおきても何一つ責任を取らない、これも一貫した態度だ。

 こうした力に抗して、名護市民は闘うしかない。沖縄は地域民主主義と地域自治を基本に据え、この国の安保政治と闘い続けるしかない。日本は何処に行くのか? 沖縄は沖縄の道を追求していく。両者の間に広がる分断を私たちは、超えていきたい。

 

 

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