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寄稿文

2017年4月 1日 (土)

島の風景が変わる中で-戦場が見える島から、戦場に据えられる島へは、もうたくさんです

○本稿は「沖縄の怒りと共に」100号(うちなんちゅの怒りと共に! 三多摩市民の会 17年3月31日発行)に寄せて書いたものです。

【初めに】

 貴誌100号とのこと、おめでとうございます。しかし継続は力なりとはいえ、単純に喜べません。まだまだ沖縄の問題はしらんぷりされており、それどころか叩かれているのですから。

 本紙読者の皆さんは、沖縄島は遠いですか? これからお話しする宮古島・石垣島・与那国島は遠いですか? 東京~那覇は約1500キロ。さらに那覇~宮古島は約300キロ。那覇~与那国島は520キロの距離があります。しかし今遠いからと言って傍観できない現実が拡がっています。掻い摘んでお話します。

【フォトジェニックな島、与那国島がレーダー基地の島になり、宮古島は―】

  私が与那国島に最初に行ったのは、2011年6月のことでした。理由は、以下の事柄を考えたからです。この国が辺野古に拘るのは、「南西方面重視策」に因るのだろうと。これは2010年末の防衛計画大綱に記されました。基盤的防衛力構想を廃棄し、「動的防衛力」構想を造りだすと。

 周囲が30キロもない、絶海の孤島。人口1500名余り。行ってみたら、小さいがゆえの魅力たっぷりな島でした。海と山と放牧場、人家はきっちりと3つの集落に限定されていました。地球の自転をしっかりと実感できる島であり、太陽光線が頗るいい、フォトジェニック(写真写りが素晴らしい)な島。

 ところが防衛省はここに陸上自衛隊のレーダー基地を造ると言い出していました。住民の反対の声は無視され、昨年2016年3月末に「沿岸監視隊」(160名)ができてしまいました。周辺に建築物が立ち始め、交通量が増えました。それでも海の素晴らしさは変わらない。森も野鳥も蝶も健在です。しかし自衛隊の島になってしまいました。だから安心できません。

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16年3月28日 与那国沿岸監視隊隊旗授与式後、行進する同隊隊員。

 宮古島には72年5月15日以来、航空自衛隊の第53警戒隊(レーダー基地)が置かれています。これは日本の空域を守るためと言われていますが、この来歴をみればわかるように米軍を守るためです。米軍施設を引き継いだのですから。自衛隊が収集した情報はすべて米軍に同時進行で送信されています。

 ここにも陸自の警備隊を新設すると言われています。市長も国と入魂の間柄。問題を大胆に要約すると。

 ①陸自警備隊等(対空ミサイル部隊と対艦ミサイル部隊が主力)の計画の全容は隠されたままです。兵舎等を千代田カントリークラブ跡にといわれていますが、公開されていることはこれだけです。ミサイルの指揮所をどくにおくのか、弾薬庫は、演習場は。ミサイルは移動式ですから、どこに対空ミサイルを置き、対艦ミサイルを置くのか、移動警戒隊の置き場所は?空港と港の使い方は、オスプレイやヘリコプターはくるのか。米軍との連携は?

 そもそも日米政府は宮古島や石垣島を本丸にしようとしています。中国封じ込めのための新たな基地建設であり、島嶼奪還作戦と言っています。もしこんなことになったら、自衛隊はいざとなれば脱出し、再び奪還するのだと。島民を置き去りにして。5万人の住民とさらに観光客の命をどう確保するのかに何も答えていない。無責任の極みです。

 ②そこで俄然怪しくなるのが、先の空自第53警戒隊の改修工事です。ここは宮古島空港から東へ約3キロ。野原(のばる)の丘にあります。標高108mが一番高い地点で90mから100mの狭い尾根が900mほどつらなっています。ここは13年春から改修工事が始まりました。新たなレーダーに換装すると言われていますが、何故これほど時間がかかるのか? 写真を見てください。コンクリートで斜面(地下)が固められています。丘の斜面の横幅500m、高さ40m、奥域50mはあるでしょう。巨大な地下壕ではないでしょうか。ここに前線司令部(陸海空の)を置き、いざとなれば篭城できるようなシェルターなどを建造中だと思います。

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第53警戒隊改修工事中。17年2月28日撮影 千代田地区から。斜面にコンクリートが打ち込まれている。

 彼らは本気です。この島を戦場にしてもいいと。何度も何度もここの工事の進展状況を見てきた私は震えました。やるきかと。

 石垣島や奄美大島もやはり陸自の警備隊と対艦ミサイルと対空ミサイル部隊です。相対大きな島だから何とか演習場も確保できると考えているはずです。尚、演習場ですが、長崎県対馬にも警備隊が置かれており、ここにもちゃんと森の中に演習場が設置されています。

 ③こうした島々で起きる可能性は2つ。(ア)中台戦争に伴う米国の介入です。こうなったら、本格的な潰しあいになりかねません。(イ)日中の偶発的な戦争です。米日は琉球諸島を対中封じ込めの列島防衛線としています。米国も中国も米中戦争にならないように地域紛争に止めたいのです。だから琉球諸島でやるならばやれと。やるのであれば前方は日本国、米国は補完部隊。

 ついでに申しておきますと、米国のグアム再編以降の動きは、この絡みの中での話です。沖縄島は中国から約800キロ。中距離ミサイルが届く。だから地上戦闘部隊に過ぎない海兵隊を沖縄に置き続けることは愚の骨頂。なので沖縄の海兵隊をグアム、オーストラリア、ハワイなどに分散配置したいのです。こうした事情を安倍首相はどこまでわかっていることか。米国に依存しながら見境なく突っ込みかねないから怖いのです。その前に私たちが彼らの「火遊び」を禁じなければなりません。

【今私たちは如何なる途上に在るのか?】

 もしも琉球諸島で戦火が開かれ、奪還作戦が始まれば、東京も火の海になりかねません。何故ならば、島嶼を攻撃する際は航空優勢、海上優勢を取らなければ、攻撃できないからです。裏返せば、司令部が攻撃されます。横田であり、横須賀であり、市谷です。

 軍事力で覇者になるという発想を私たちが克服できなければ、世界の人類は終わります。私たちは、覇者に近いところにいるからこそ、中東やアフリカの地域紛争、民族差別、難民問題など見ようとしてこなかった。このまま行けば、私たちも地獄に落ちる。

 美しくないエピローグになってしまいました。命どぅ宝の魂を共有できると信じます。諦めることなく頑張りましょう。(17年3月24日)

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